私のかわいい後輩君
それでも、中川から
出た言葉は、意外なものだった。
「……しらない……しらないわよ!!」
その中川は、いつも以上に
怒りをあらわにして、
いかにも興奮してますって感じだった。
「え?」
「しらないわよ。
だいたい、なんでいつも春瀬先輩、春瀬先輩なの?」
「はい?」
「いつも、いつも春瀬先輩ばかりで気分悪いよ。
なんで?
私の方が、梅の近くにいるのに。私の方が……」
そう言うと、中川は教室から走ってどこかに行ってしまった。