私のかわいい後輩君
涼介SIDE
対抗リレーが始まって気が付いた。
「春瀬先輩大丈夫ですか?」
「何が…?」
何がって…
「右足痛いんですよね?」
「えっ。」
いかにもなんでばれたのって顔してる。
「出るなって言いたいですけど、それでも先輩は意地でも出るんですよね」
「うん。…お願い。誰にも言わないで…」
やっぱり…。
はぁ~。
「言いませんよ…。でも、無理しないで下さい」
俺がそう言うと先輩は、ありがとうって言いなが
ら笑顔でスタートの位置についた。
本当に大丈夫なんだろうか…。
倒れなきゃ良いけど…。
って俺の予感は見事に数分後に的中することになる。