(短編)恋イロ
「行くか」
チュッて私のおでこにキスをして、車から降りた。
私も車から降りると私の元へ来た奏の手を握る。
「ショッピングモールだあ!!!!」
寝ていた私はここがどこか分からなかった。
そして、今目の前にそびえ立つショッピングモールに感激してる私。
若干田舎にある私たちの家。
だから、あまりこういう場所は来た事がなかった。
「きゃー!!!やった!!!」
田舎もん丸出しの私に奏が呆れた顔をしている。
「しー」
ってさっきより少し恥ずかしそうに周りを見ながら言う。
「はーい!!!!」
それでも私は嬉しさを隠し切れずにニコニコしていた。
中に入ると人がいっぱいだった。
「わ…人いっぱい……」
「はぐれないでよ?」
そう言ったと同時に私の手を握る力が強くなる。
それが堪らなく嬉しくて強くなった力と同じように私も握る手を強めた。
「どこから行く?」
小さい私と同じ視線になるように顔を近づける。
かッかかかかっこいー……
なんて、自分でも分かるくらいに顔が赤くなった。
「??」
「何でもない……よ」
ふいっと顔を背けると奏がむっとしたのが分かった。
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