僕はもう一度恋をする
第一章
誕生日
ガチャ………。
扉をあけると、いつもの玄関。
お出迎えなんてない。
最近やっとこの寂しさに慣れてきた。
ただいまも言わず、革靴を脱ぎ捨てキッチンへと向かう。
冷蔵庫を開けてキンキンに冷えたビールを取り出す。
プルタグをあけて、ビールをいっきに飲み干した。
「ぷはー!!」
今は、これしか生き甲斐がない。
リモコンのスイッチを押す。
蒸し暑い部屋の中に冷気が流れ込んだ。