僕はもう一度恋をする





ポケットから携帯を取り出すとメールが1件きていることに気づいた。



「おふくろからだ。」



受信ボックスを開く。



『お誕生日おめでとう』



という絵文字1つもない素っ気ないメールだった。



母はあまり機械が得意ではないらしく(と言うよりも苦手と言った方がいいかもしれない)、たまにしかこないメールもいつもこんな感じだ。



そして、自分が誕生日だということを思い出した。



時刻は11時50分。



セーフ。



危うく自分の誕生日を忘れて過ごすところだった。



祝ってくれる人が母しかいないなんてな。



笑える。



ということは、今日でもう35歳か………。



アラフォーじゃないか。



誕生日なのに、あまりいい気分になれなくて、風呂も入らずそのままベッドにダイブした。










< 3 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop