僕はもう一度恋をする
ポケットから携帯を取り出すとメールが1件きていることに気づいた。
「おふくろからだ。」
受信ボックスを開く。
『お誕生日おめでとう』
という絵文字1つもない素っ気ないメールだった。
母はあまり機械が得意ではないらしく(と言うよりも苦手と言った方がいいかもしれない)、たまにしかこないメールもいつもこんな感じだ。
そして、自分が誕生日だということを思い出した。
時刻は11時50分。
セーフ。
危うく自分の誕生日を忘れて過ごすところだった。
祝ってくれる人が母しかいないなんてな。
笑える。
ということは、今日でもう35歳か………。
アラフォーじゃないか。
誕生日なのに、あまりいい気分になれなくて、風呂も入らずそのままベッドにダイブした。