苺練乳。


夏に生まれたから『夏奈』なんていう、平凡な名前も嫌い。

貧相な自分の胸も嫌い。

可愛くもないし、不細工でもない自分が嫌い。

ビキニが似合わない自分が嫌い。



あたしは、



春菜になれればよかったのに。




そう言って、苺のかき氷をもう一杯買ってくる。


そして豪快にかぶりついた。



『…冷たい。』



2杯も食べてるけど、別にあたしは苺のかき氷が好きなわけじゃない。


かき氷なんて、苺のシロップ以外何も味がしないもん。


まるで、

あたしみたい。


< 8 / 29 >

この作品をシェア

pagetop