【短編】冷たい彼氏
「じゃ、梓音行くよ」
「おぅ」
龍平にドタキャンのメールをして、梓音と腕を組む。
そして、龍平に見えるか見えないかぐらいのところを通る。
気づいて龍平!
そしてヤキモチ妬いて!!
ちらちら龍平を見ながら歩いていると、二人組みの女が龍平に声をかけた。
う…いやだ。
あたしの龍平に。
その二人組みは、ニコニコしながらさりげなくボディタッチをしていた。
嫌だ……触らないで。
龍平は、あたしのだもん。
龍平の彼女は、あたしだもん!
梓音の腕から手を離し、龍平のところに駆け寄る。
もうヤキモチなんか妬いてくれなくていいから、触らないでーーー
「おぃ、姉ちゃん」
後ろから梓音の声が聞こえたが、無視をして走った。
バカ、あたしのバカ!あんなこと考えるから!!