【短編】冷たい彼氏
「りゅーへー!!!」
「椎依?」
「だあれこの子」
「あたしの龍平に触るな!!!」
龍平と二人組みの女の間に入る。
あたしの龍平だもん。
ずっとずっと、あたしだけのだもん。
「何この子。ちょーうざい、てか束縛じゃない?あたしたちと喋ってただけじゃん。それで嫉妬とかまじうざー。ね、龍平くん。彼女なんか置いて一緒に行きましょう?」
…束縛?うざい?
そうだよね……ちょっと話してたぐらいで、こんなヤキモチ妬いてウザイよね。
「ごめんなさい」
小さな声で謝ると、龍平の低い声が聞こえた。
「帰れ」
ビクッ
あたしだよね……分かった帰るよ。
梓音のいる所に戻ろうとすると、ぐぃっと腕を引っ張られて抱きしめられた。
「こいつよりいい女なんかいない。帰れ。お前らキモイんだよ、オバサン!」