【短編】冷たい彼氏
「なッ!」
二人組みの女は顔をかぁーっと赤くさせると、
「この生意気小僧が!」
と走り去ってしまった。
あたしはポカーンとしていた。
すると、龍平に体の向きを変えられ向かい合う。
「今日はこれなかったんじゃなかったの?」
「……ごめんなさい」
「…で、あの男誰?」
え?
気づいてたの!?
「…あたしの」
「椎依の?」
「弟」
あー言っちゃった。
でももうこれ以上嘘はつきたくないし。
ごめんね、龍平。