【短編】冷たい彼氏
これあたしのじゃないよ?
と龍平に返そうとしたら、メールが来た。
お、由宇ちゃんだ!
“ね、いいことあったでしょ?それあたしからのプレゼント。ありがたく受け取ってね!”
由宇ちゃん……
あたしのためにわざわざ?
「あ、ありがと龍平」
「ん…じゃ、俺帰るから」
「えッ」
もう行っちゃうの?折角会えたのに。
まだもう少しだけ…もうちょっとだけ話したいよ。
覚悟を決めると思い切って龍平に抱きついた。
「椎依?」
「龍平…」
小さく呟くと、龍平がそっとあたしの体を離した。
「何してんの?早く入りなよ」
冷たい目で、あたしを軽く睨む。