彼が猫になる
次の日は休み

あと一週間で新しい仕事に就く

昨日呑みすぎたせいか

昼前にしか

目覚めなかった

メイク落とさず

ポテって寝たから

コンタクトが乾いちゃって

目がしばしばする

とりあえず風呂!

朝から…

昼からシャワー

ん~やっぱり

気持ちいい

一人暮らしになってから

お風呂にお湯を溜める事が

なくなった

たまに実家に帰る時

皆と同じ湯につかることが

なんだか嫌だった

汚い訳じゃない

だけどなんか違和感があった

髪を乾かして

コーヒーを飲む

外は晴れ

でもちょっと寒い

窓を開けると

冷たい風が入ってきた

ぅぅ。

もう季節は春ですぞ

ってちょっと怒り気味で窓を締めた

窓際で

太陽を浴びながら

コーヒーをすする

ぼぅーとして

思い浮かべるのは一護の顔

最後はにかんだ彼の顔が

今でも目に焼きついている

そうだ

彼に会いにいこう

そう決めたら行動

薄い化粧をして

いつものださい格好

でもちょっと高めの

ネックレスをつけた

早く彼に会いたくて

御洒落に気を遣ってられない

あたしはそそくさと家を出る

あっ。

カメラ

鍵まで閉めたドアを

また開けカメラを手にした

天気は全然晴れ!

あたしは

ヘルメットをかぶり

バイクにまたがる

エンジンかかるかしら

兄貴に勧められて取った免許

でも乗る機会も滅多になくて

ちょっと埃が被っている

動け…

キキキキ

高音の音が続く

ブゥウン…

かかった!

半ば奇跡的にエンジン起動した

これも彼への愛かしら

なんて照れながら

目指すはあの堤防

道は覚えてる

あんなに楽しかった時間

周りの風景をばっちり記憶してる

あの道を曲がって…

行き方を考えながら

思うは彼の事

勿論ヒメっちにも会いたい

今日は一護のことききまくりたい

希望で一杯のアタシは

アクセルを回す
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