彼が猫になる
ピンポーンっ

ピンポンピンポーン!

はいはい。

「おはよ」

もう昼だからさ

智はちょっとセッカチ

二時に迎えに来るって

言ってたのに

今はまだ一時まわったトコ

まだ顔を作ってない顔で

智を迎える

「うゎ。 ひでーな」

あんたが早すぎたんだよ…

とりあえず

智を部屋にいれ

あたしは化粧台の前に座る

智がこの部屋に入るのは

初めてじゃない

もう何回か来た事がある

勿論 何もない

そういう雰囲気になった事もない

だから安心?

気軽に部屋に入れてしまう

智は手馴れた感じで

コーヒーを炒れてくれた

「ほいよ」

ありがと…

あ。いい香り…

これあたしのコーヒーじゃない

智の顔みると

何だか嬉しそう

「ハワイのコナコーフィー♪」

得意げだ

うん。 

美味しい

ちょっとクセがあるけど

あたしは好きだなぁ

智との味の相性は抜群に違いない

今確信した

「さ。 行くぞ」

まだ半分しか終わってないんですけど

あたしはふて腐れながらも

薄いメイクで

家をでた
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