彼が猫になる
ぐゎしゃぁーーん!!

!?

何っ!?

「っったぁぃーー!!」

この扉

あろう事か

押す扉じゃなくて

引くタイプだったらしく

あたしは

顔面を強打した

オカシイやろう! この建物!

屋上への扉は

決まって押すタイプだろう。。。

しぶしぶ

痛い顔を我慢しながらも

あたしは思い扉を引く

風を感じる…

暗い

まだ昼なのに

開けた視野は暗かった?

ぱっと

見開いた目

暗いんじゃない

目の前に人が立ってたんだ

きゃっ!

驚いてあたしは後ろに下がって…

やばい! 後ろは階段。。。

あたしはぐっと手を引かれた

ぁ…

この感じ。。。

あたしは軽く

でも強く

屋上の外へと導かれる

一瞬の出来事だったかもしれない

でも

あたしには

スローモーションがかかったように

一つ一つの動きが

はっきり見えた

ポスンと

地面を踏む

「あー 危なかったなぁ~」

やっぱりだ。

この声

繋がれたこの手

あたしは

ゆっくり

ゆっくり

手からその人へと

目線を移す
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