彼が猫になる
落ち着いたあたしを

ここに座れと促し

一番見晴らしがいいポイントに

案内してくれた

あたし達は

場所は違えど

またこうして

隣に座っている

「ほんと 久しぶりだなぁ」

相変わらずの一護

彼は元気そうだ

あの日

一護が絵にしたあたし

あの場所にいたの??

あたしの問いかけに一護は

「またいかついバイク
      乗ってきたよなぁ~」

声かけてくれたら良かったのに

「声かけよーしたら
    お前いきなりしゃがみこむしさ~
  面白くって!」

なんだ

やっぱりいたんじゃん。。

あたしあなたに逢いに行ったんだよ

なんて言えるはずもなし

でも見ててくれたんだ

それであたしは満足だった

「お前うぶって言うんだな」

言って無かった??

「綺麗に撮ってたじゃん」

「写真」

急に恥ずかしくなった

お願い

題名には触れないで…

「今日ヒメっちは
    さすがに来てないな」

ここは堤防じゃないからね

あははは。

話がずれてほっとした

…あれから半年

彼と逢って無かった時間が

嘘のよう

あたし達の会話は

途切れる事なく

気持ちよく風と流れる
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