彼が猫になる
若者が集まるショッピング通り

一人で歩くのはあたしくらい

様々なお店を転々とするが

一護に何を買ってあげたらいいのか

分からない

中途半端な贈り物なんてしたくない

お揃いのもの?

リングとか欲しいのになぁ

なんて

一護はきっと喜ばないんだろうなぁ

一護の事全然知らない

でもただひとつ言えるのは

縄に繋がれず

行き先も分からない

たまに家に帰ってくる

そう

猫のよう。

携帯なんてもっての他だろうなぁ

ふと目にとまる

ロック系のお店

チェーンやら

革ものやら

一護とかけはなれた感じのお店

だけど

ひとつだけ

気になったもの

黒いビーズに

シルバーのトップがついたネックレス

一護がつけたらかっこぃぃだろうなぁ…

あたしは一目惚れして

そのネックレスを買ってしまった

「プレゼントでお包みしましょうか」

店員の一言に

無駄に照れてしまう

お願いします…

店を出るあたしは

いつになく嬉しい顔をしてるんだろうなぁ

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