彼が猫になる
あんた名前はなんてんだい?」

ずっと聞きたかったんだろうなぁ~

気を遣ってくれて有難う

「空舞… 
  うぶって言うの。
   変わってるでしょ」

ぇ。

お婆ちゃんの顔が強張った。

あたしなんか不味いこと言った??

「漢字は空に舞かい?」

「そうそう!
   当て字なのによく分かるね!」

…。

黙り込むお婆ちゃん。

どうしたの…。

「うっう”」

ぇ。

突然泣き出すお婆ちゃん

一体どうしたの??

あたしは混乱でしかない

「お婆ちゃんごめん 
  あたし迷惑かけたね…」
それもそうだ。

水知らずの子を家にあげ

今日はきっと疲れたんだ

「赦しておくれ…
   うぶちゃん…」

分からない…。

お婆ちゃん何かを思い出したのかなぁ

「大丈夫よ
  お婆ちゃん!
 誰もお婆ちゃんを責めたりしないんだから」

「赦してあげておくれ… 
         一護を…」

!?

『キーーーーン』

硝子が割れたような

嫌な音が頭ん中で鳴り響く

記憶が繫がりを求め

フル回転で動く

…見つからない

なんで。

なんで今更一護って!?

どうしてお婆ちゃんが知ってるの

聞き間違い?

「お婆ちゃん…
   一護って言った?」

「う”ぅ…
  何て神様は酷いんだろうねぇぇ」

間違いない

お婆ちゃんは一護を知ってる

ヨボヨボの手で

皺がよる小さな顔を

必死に覆い泣くお婆ちゃん

あたしは

さっきお婆ちゃんがしてくれたみたい

お婆ちゃんに寄り添い

背中をさする

「ごめんねぇ…
   ごめんねぇ。。。」

「大丈夫! 
  大丈夫ょお婆ちゃん」

早く泣きやんで欲しかった

あたし何かやらかしたんだ

一護を傷つけて

優しいお婆ちゃんまで傷つけていた

あたし最低だ

のほほんと生きてきた事に

後悔しかない。

ごめん。 ごめん…

ごめん。

ごめん。

ごめん。 

お婆ちゃん…。

ごめんなさい…。
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