彼が猫になる
「ごめんねぇ…
   吃驚させてしまったねぇ…」

泣き止んだお婆ちゃんが口を開く

あたしは必死に顔を振る

「一護はね…
   お婆ちゃんの孫なんだよ」




お婆ちゃんが一枚の写真を持ってきた

さっきみてた家族写真。

「この男の子が
     一護なんだよ」

お婆ちゃんんがゆっくり話出す…

お婆ちゃんにはね

息子と娘がいてね

息子も娘も大きくなって

結婚してこの家を離れたんょ

この写真は

お盆で家族集まった時に撮った写真

その頃には

お婆ちゃんにも孫ができてね

一護と愛美って。

愛美の方はまだ小さくてね

一護はもう小学生だったかね

随分しっかりしてて

泣きじゃくる愛美を可愛がってくれるくらい

いい子に育っててくれて。。。

でもその年の暮れに

一護の両親…

お婆ちゃんの息子夫婦…

事故に遭っちゃって…

お婆ちゃんとお爺ちゃんで

一護を看ることになったんよ

でもねぇ。

やっぱりココは田舎だし

大きくなった一護は町に出た方がいいって

娘が言うもんだから

中学に入る時には

娘夫婦に世話になることなって…。

一護も可哀想な子なんだよ

でも心配かけないようにって

しっかりした子なんだよ

本当…。

お婆ちゃんにも

迷惑かけたくなかったんだろうね

娘夫婦に世話になるって

家出たけど

中学を出るころには

自分で働く事を決めたんよ
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