彼が猫になる

縄張り

近所の野良猫

あたしはたまに玄関で

日向ぼっこする

一番太陽があたり

しかも立地が良く

誰にも見られない

ただ

一匹の野良猫だけ

たまーにコッチを見てる

でも

ココはあたしの縄張り

野良猫がきたら

ずっと睨んでやる

向こうもちょっとは

攻撃的目線をぶつけるが

あたしには敵わない

野良猫は

お尻を見せて立ち去る

どんなもんだ!

なんだ猫の野郎

お前の人生はそんなものか

なんて一人で猫に言い聞かす

猫も大変だ

人間と縄張り争いをされるなんて

思ってもみなかっただろうに

でも相手が悪かった

だったあたしだもん
< 9 / 99 >

この作品をシェア

pagetop