彼が猫になる
愛美ちゃんがナースコールで何か喋ってる

そのうちに看護士さんが

やってきて

「面会の方ですね?
   こちらから入れますよ」

「え? あの…?」

さぁこちらです。

と案内されるがままに

あたしは

愛美ちゃんのベット脇に座らせれた。

オドオドしてるあたしを

見て

愛美ちゃんはクスクス笑う。

あたしはつられて笑う。

「初めまして 
   ただの通行人さん?」

何だかこの感じ

一護に似てる。

「えっと…?」

ちょっと人見知りだし

何か余裕の愛美ちゃん。

勿論あたしが誰か知らないはず

でもあたしはなぜここにいるのお!?

「ごめんなさい。
   話相手になって貰えませんか?」

「病室は退屈でさ?
   見慣れない顔だし
  スーツ着てるし
     OLさんかなって
   興味持っちゃって」

。。納得。

流石の人懐っこさだ。

そういうことならって

「勿論です。」

「カリカリカリ」

「猫ちゃんも嬉しがってるみたい」

一護といい…

愛美ちゃんといい…

どうしてどいつも猫と以心伝心なんだ…。

「光栄です」

「ん~と何聞こうかなぁ~」

愛美ちゃんは

仕事とか

どこに住んでるとか

お化粧とか

凄い質問攻めで。

よく喋るなぁて。

とても白血病とは思えないくらい

可愛い女の子だった。

素直にリアクションもするし

本当に今時の子。

笑った顔がどことなく

一護に似てる感じ。
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