彼が猫になる
どれだけ喋ったかな?

あたしの事掘り返されたように

全部話した気がする。

「お姉ちゃん彼氏は?」

「残念ながらいないの」

「えーーー。
  愛美は結構可愛いと思うのに!
 しかも面白いし!」

「愛美ちゃんに言われても
        嬉かないよっ」

ちょっといじになったりとかで

あたしも楽しい時間を過ごした

本当に素直でいい子。

「じゃぁさ!
  愛美のお兄ちゃんと
 付き合ってあげてよ!」

『えっ』

駄目駄目。冷静にね。

「無理ょ~。
   あたし人見知りだから」

「お兄ちゃん結構格好いいんだけど
   女の子が寄ってこないみたい」

「って言うより
    愛美から離れられないって
   感じ~~?」

「間違い無いね♪
    愛美ちゃん可愛いから」

「ぇ~そうかなぁ~」

ふと愛美ちゃんが時間をみる

「ぁっ! 
  もうすぐお兄ちゃんが来る時間!」

「そうなんだぁ~
   じゃぁあたしはお邪魔だね」

「ぇっ。
  もうちょっと居てよぉ~
 是非愛美のお兄ちゃんを紹介したいからさ」

「ぅ~ん。
  お姉ちゃんも仕事の時間かな??
 今日は有難うねぇ。
    愛美ちゃんのお陰で仕事頑張れそぅ」

「ぇぇ~
  本当もうすぐなのにぃ~」

ごめんねっ。 愛美ちゃん。

お兄ちゃんには会えないの。

「じゃぁね。
  愛美ちゃん^^」

あたしを掴む愛美ちゃん

「やだぁやだぁ~」

「また遊びにくるからね」

「コンコン」

…やばい。

「おぉ~ぃ。 まなみぃ~
    入るぞぉ~」

「ぁっほらぁ。
   来たぁ~~~~」

力を緩めた拍子にあたしは

するっと愛美ちゃんから離れた

ドアが開く。
   
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