心の羽根
「ねぇねぇ!金魚すくいやろっ!」
彼が綿飴を買ってる隙に彼女は金魚すくいの屋台の前で手招きしていた。
「あ、おじさん久しぶりです」
彼は金魚すくいの屋台のおじさんに挨拶した。同じ町内のおじさんだ。
「おう!久しぶり!東京で頑張ってるか?」
「はい!何とかやってます」
「こっちこっち!」
後ろから彼女が彼を呼ぶ。
「おじさん、はい二百円」
「はいよ!」
おじさんは彼女に金魚をすくう網を三本手渡した。
「いくよ~!」
彼女は浴衣の袖を捲ると、狙いを決めて網を水面に滑らせた。
「…あ~」
網は破けてしまっていた。
「ちょっとやってみてよ!」
彼女は彼に網とカップを一つ手渡した。
「初めてだけどやってみるか…」
彼も袖を捲り、一匹の金魚に狙いを決める。他の金魚より赤みが薄いけど、目がくりくりして何となく可愛い金魚がゆっくり水際を泳いでいる。
彼は素早く網をその金魚に滑らせた。
「…!」
網は水を切り、大きく破れていた。
「ぁあ~、あと一回だ」
彼女が悔しそうに、でも楽しそうに言った最後の網を手にした。
「お前、最後やってみろよ」
彼氏は彼女にカップを渡す。
「失敗しても怒らないでね?」
「怒るわけないだろ」
彼女は真顔で金魚を見つめる。次の瞬間、網を滑らす。
ビチャッ!
「ああ~~!!」
「おお~~!!」
二人は同時に叫んだ。カップの中に金魚が入っていた。
「やったぁ!」
彼女は満面の笑顔で彼を見る。
カップの中ではさっき彼が狙った金魚が苦しそうに跳ねていた。
彼が綿飴を買ってる隙に彼女は金魚すくいの屋台の前で手招きしていた。
「あ、おじさん久しぶりです」
彼は金魚すくいの屋台のおじさんに挨拶した。同じ町内のおじさんだ。
「おう!久しぶり!東京で頑張ってるか?」
「はい!何とかやってます」
「こっちこっち!」
後ろから彼女が彼を呼ぶ。
「おじさん、はい二百円」
「はいよ!」
おじさんは彼女に金魚をすくう網を三本手渡した。
「いくよ~!」
彼女は浴衣の袖を捲ると、狙いを決めて網を水面に滑らせた。
「…あ~」
網は破けてしまっていた。
「ちょっとやってみてよ!」
彼女は彼に網とカップを一つ手渡した。
「初めてだけどやってみるか…」
彼も袖を捲り、一匹の金魚に狙いを決める。他の金魚より赤みが薄いけど、目がくりくりして何となく可愛い金魚がゆっくり水際を泳いでいる。
彼は素早く網をその金魚に滑らせた。
「…!」
網は水を切り、大きく破れていた。
「ぁあ~、あと一回だ」
彼女が悔しそうに、でも楽しそうに言った最後の網を手にした。
「お前、最後やってみろよ」
彼氏は彼女にカップを渡す。
「失敗しても怒らないでね?」
「怒るわけないだろ」
彼女は真顔で金魚を見つめる。次の瞬間、網を滑らす。
ビチャッ!
「ああ~~!!」
「おお~~!!」
二人は同時に叫んだ。カップの中に金魚が入っていた。
「やったぁ!」
彼女は満面の笑顔で彼を見る。
カップの中ではさっき彼が狙った金魚が苦しそうに跳ねていた。