誓いの言葉・高校編
相手は完全に私を見下していた


恐らく蹲踞の時、迷っていた私の気持ちが伝わっていたんだろう…


面白がり竹刀を威圧的に押さえ込む様子にイライラした


けれど、焦ってはダメだ
相手が馬鹿にしているなら当然攻める事ばかりに気持ちが行くから、甘い部分が見えるはず


浮き気味の右手………
ここで私を仕留めれば手柄だとばかりに、必要以上に気持ちが前に出る余り肩に力が入っている


体重も前にかけている…
これじゃ足は前に出ないし、一足で跳ぶ事もできないだろう


私は適当に相手を"いなし"仕掛けるチャンスを待った

二本取る為にはそろそろ仕掛けるか?


相手か゛わざと?逆胴を外し思い切り鈍い音が鳴って激痛が走った

ギャラリーからは

「うわっ」

と声が聞こえた

相手の応援側にはニヤつく子もいて………




私は相手が少し下がった瞬間、思い切り突をした


一瞬相手は竹刀を握る手を僅かに下げ面がガラ空きとなった


そこに渾身の面を打ち込んだ


パーン!!


相手は一瞬何が起きたのかわからなかった様で審判があげる3本の旗を見て状況を理解した様だった
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