誓いの言葉・高校編
「この手紙はどこから来たのですか?」


「ほら…ここをご覧。この小さな桜の印………
これは刑務所で検閲を受けた印なんだ。
だから、この手紙は本人が刑務所で書き検閲後に投函された物だよ。代筆では無いよ」


俺はじっとその印を見た


「徹さん。こういう手紙は今回が初めてですか?」


「実は、刑が決まる頃何通か俺宛てに手紙は来ていた。全て謝罪だった……
あの時、俺は22歳でいきなり姪を抱える事になり犯人の手紙を見る気になれなかったんだ…
けれど、由美子に《瞳ちゃんが大人になった時読める様に手紙は捨てないで》と言われて……こうして今も封を切らずに持っているんだ。

俺は一度も手紙を読む事なく返事をする事もなく11年が過ぎた……
倉田は法廷で刑を言い渡された時、傍聴席に向かって頭を下げたんだ。
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それからは、3回忌7回忌と節目節目に手紙を寄越した
一度、犯人の弟から法事に花が届いて飾らずに業者に持ち帰らせた事もあった

その後は俺達も引越をしたから手紙はそれっきりだったのに……
でも今回は、瞳宛ての手紙だから封を開けたんだ」
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