キミを待っている
なんだか気まずくなって、ただ沈黙の時間が流れていった。
だが、次は市民体育館前だ。
「その……」
僕は、最初言葉に詰まったが、
「家までちゃんと送るよ、雪城さん」
そうするのが一番いいと思った。
彼女の家は本当に近かった。
バス停から歩いて五分。
瓦屋根の普通の民家――僕の家よりは大きかった――が雪城ユカリの家らしい。
家の前まで来て、
「……今日はありがとうございましたっ」
深々と頭を下げられる。
そんなまっすぐな行動に少し戸惑ってしまう。
「その……」
そして、彼女は考えていたが、
「……また明日」
その言葉を言った。
そう言われたら、明日も部活に出なくちゃいけない。
「うん、また明日」
そう、僕は答えた。