キミを待っている
僕は木の幹にもたれかかって、雪に埋もれていた。
手元には冷たくなった缶コーヒーが一つ。
空は真っ暗で……今何時だろうか。
時計を見ると、夜の十二時……ちょうど日付が変わる時刻を指していた。
ユカリさんは来なかった。
ユカリさんと連絡を取ろう。
コートのポケットからケータイを取り出し、アドレス張を開く。
そこで、気付く。
「そういえば、電話番号もメールアドレスも聞いていなかったな……」
本当に、僕の想いは届かなくなってしまった。
僕はただぼうっと空を見つめて。
冷たくなった最後のコーヒーを、飲み干した。