キミを待っている
新年、新学期が始まった。
僕の、ずっと昔の日常が戻ってきた。
「先輩、ボクのプログラムがうまくいかないんですよ。見てくれませんか?」
森にそう言われたので、僕は森の席に行く。
そこで、なんとなく部屋の後方を見てみた。
すでに籍はない、部員のいた場所。
彼女はもういない。
それでも僕は、この想いを捨てられずにいる。
本当は、忘れてしまったほうがいいのかもしれない。
ただ、僕が忘れないでいることが、彼女のいた証明になるんじゃないかと思っている。
まだ寒さの抜けきらない空に、僕は想いを見つける。
いつか願った、僕の想いを。
キミが忘れてしまっても、僕はずっと忘れない。
「キミを待っている」