ホイッスル
「あ、来た!!ママ。」
男の子は、お母さんの元に走って行った。
「大丈夫?いたくなかった?」
とても心配そうに聞いた。
私と詩良は、黙って見ていた。
「あなた達なの?
この子に怪我をさせたのは?」
「はい。私です。」
詩良は、そういって前にでた。
「あなたは、周りを見てないの?
高校生?どこの学校なの?」
男の子のお母さんは、
詩良をにらんでいる。
「里織高校です。」
「まぁ。あそこの高校は、
いい子ばかりだと思っていたけど、
とんでもない問題児がいるのね。」
驚いた目で詩良と私をみた。