Calling＊Me

私は悔しくて心の中でクソッと吐いて下唇を噛んだ。




……痛い。




血がまた広がった。




……あれ人影？



また殴られてしまう？そんなのヤダ。




「芽瑠……？」




な……なんで叶がいるの？




こんな偶然になんで……。




「どうしたの？血まみれ」

「ほっといてよ！」




差し出された手を振り払った。でも叶はまだ言葉をかける。




そんなに優しくしないで。




「叶……痛い痛い。」

「わかってる…でもどうして」

「言えない」




言ったら叶は私をこれ以上に心配する。




そんなのはごめん……。




「え……」




叶が自分のスーツを剥いで私の血が出てるところにあてる。




スーツって……それ。




それさ……大事なものでしょう？




ナンバー1だから高価でしょう？なんで。




「なんで……」

「スーツなんてどうでもいい。守りたいものは守りたい」