Calling*Me
華やかな夜の仕事をする叶にはわからないよ。




叶はきっと女を優しく抱くだろうね。




私もそんな抱き方をしてほしいよ。




乱暴に私の体を扱って気持ちよくなったらポイ。




また相手にしてもらうために財布からお金が投げられる。



愛を注がない代わりにお金をもらっているようなもの。




「今辛いなら俺の胸貸すよ?」

「…………」

「俺、誰にも言わないよ?」



………やめて




唐突に言われて心が揺れる。



叶の胸は温かいし。




安心できるよ…。




「本心を押し殺さなくていいんだよ」

「………」

「素直になればいいよ」

「ありがとう、叶もう家に戻る」




叶の優しさは普通の優しさじゃないから心に溶け込んでくる。




だから私には耐えられなかった。




ここにいることで…




叶を少し好きになりかけた。



ダメだよ恋愛は私には必要ない。



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