Calling*Me
俺は黙って鞄から弁当を取り出すと美佐はそれを覗きこむ。




「作ってるのぉ?」

「ああ、親いないから」

「そうなんだ。明日から私が作ってきてあげるぅ」




けっこうだって。俺は作るの苦にならないしね。




「親いなくて寂しくないの?」

「慣れたよ」




親がいなくて金が足らないからホストで稼いでる。




まだ芽瑠には言いたくないな。




「ところでなんで叶くん。電話に出てくれないの?」

「……………」

「叶くん……なんで芽瑠以外の女の子と話さないのぉ?話してくれるけど目が優しくない」




は?意味わかんないだろ。




女は仕事で疲れるし、それに芽瑠を苦しめてる奴なんかに優しい目なんかできない。




「芽瑠をあんまり無理させないでね?」

「どういう意味ぃ……?」




白々しくいい放つ美佐。




でも簡単に話を変えられた。



「あっ芽瑠」




芽瑠がタイミングが悪いのか良いのか美佐の近くに座った。




どういう顔すればいい?




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