Calling*Me
叶は羽織っているスーツを私にかけた。




「ありがとう…」

「うん」

「もう行きなよ叶。悪女と居たらいけないから」




叶は人が良すぎるのかもしれない。私はそういう人間ではないから叶のことをイヤと思うのかもしれない…。




あのね…叶。





わかったよ私の気持ち…。



どうして素直になれないのか、叶を羨ましく思うのか。



今はまだ伏せておくよ。だって叶は美佐の高級家具だから私は叶には触れられない。





「寒い?大丈夫?」

「平気なれてるから」

「明日もするの?こんなこと」

「するよ?叶には関係ないから勝手にするし…」




私は必死でいつもの強い口調に変える。




もう叶名前なんて探さないで。




「もう叶…名前探さないでよ私が惨めになる。もう叶は全部私のことを知ったはず夜にこんなことをして金を稼いでいることも…」

「でも解決していないよ芽瑠。ピアスのことも気になるし、それに芽瑠とあの子たちの関係も」

「友達だって、前にも言ったはず」

「でもおかしい。この頃美佐は抱いてと言う。それって抱いてもらう前に「ヤメテ」



叶はもう答えを知ってる。それを聞くのが怖い私、だって自分がどれほど間違ってきたのか思い知らされるから。




ダメだよ。私のため何かに動かなくても何も得るものはないよ。




「じゃあ待ってて俺がなんとかする」




もう期待しないと聞いても叶の答えは変わらなかった。



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