月の輪
…ったく。女ってのはめんどくさい。
「何で泣くんだよ。」
意外とかわいいカオしてる。泣き顔もかわいい。俺、ヘン?
「死ななくて、いいんだ。」
千歳がボソッと呟いた。そうか、コイツはここに死ににきたんだ。ホッとしたのか。まだ15歳くらいの女の子がたった一人でこんな山にいたんだ。それも死ぬために。
「辛かったな。もう、大丈夫だ。」
千歳の頭を撫でてみる。正直、かなり勇気がいった。千歳の髪の毛は柔らかくって気持ちいい。
「蜜柑、蜜柑に、会いたい。」
蜜柑が誰かは知らないけど会わせてやりたい。
「じゃ、行こう!その蜜柑ってヤツに会いに!」
千歳が俺を見る。
「帰れるの?」
「当たり前だろ?お袋もたまに実家帰ってたしなっ。」
親父と。俺は連れてってもらえなかった。
「行くぞ、千歳。」
「えっ、ちょ、何をする!!離せ!」
千歳を担ぐ。思ったより軽い。それに、しっかりと女のカラダしてやがる。
「待てっば!!頭に血が上る!」
それもそうか…。一旦降ろしてやるか。
「じゃ、どうしてほしいんだ?」
「いや、普通に歩いて行けばいいだろう?私を担いで行くなんて大変だろ?」
「歩いて行くのか!?」
「それ以外ないだろ!?」
あぁ、人間はそうだったな。
「大丈夫、任しとけ!」
「わっ。」
俗に言うお姫様抱っこ。
「だから…。」
千歳が何か言おうとする。
「いいから、黙ってねーと…。」
羽を広げる。と、いっても鳥のようなヤツじゃなくて、蝙蝠みたいなヤツ。
「舌噛むぜっ!」
「あっあっあぁぁぁぁ!!落ちる!おーちーるー!!!」
お、叫んだ。意外。
「………!!!!!」
今度は黙った。
「わっ、あっぶねー。」
急に首にしがみついてきやがった。
「痛い、痛いって!!ツメ食い込んでるっ。」
聞こえてねぇ。もう山が一眸できる高さにいるんだけどなぁ。
「千歳、千歳。見てみ。」
千歳が首を振る。
「高いトコ、嫌い?」
俯く。うなじが見える。色っぽいなー。
「何で泣くんだよ。」
意外とかわいいカオしてる。泣き顔もかわいい。俺、ヘン?
「死ななくて、いいんだ。」
千歳がボソッと呟いた。そうか、コイツはここに死ににきたんだ。ホッとしたのか。まだ15歳くらいの女の子がたった一人でこんな山にいたんだ。それも死ぬために。
「辛かったな。もう、大丈夫だ。」
千歳の頭を撫でてみる。正直、かなり勇気がいった。千歳の髪の毛は柔らかくって気持ちいい。
「蜜柑、蜜柑に、会いたい。」
蜜柑が誰かは知らないけど会わせてやりたい。
「じゃ、行こう!その蜜柑ってヤツに会いに!」
千歳が俺を見る。
「帰れるの?」
「当たり前だろ?お袋もたまに実家帰ってたしなっ。」
親父と。俺は連れてってもらえなかった。
「行くぞ、千歳。」
「えっ、ちょ、何をする!!離せ!」
千歳を担ぐ。思ったより軽い。それに、しっかりと女のカラダしてやがる。
「待てっば!!頭に血が上る!」
それもそうか…。一旦降ろしてやるか。
「じゃ、どうしてほしいんだ?」
「いや、普通に歩いて行けばいいだろう?私を担いで行くなんて大変だろ?」
「歩いて行くのか!?」
「それ以外ないだろ!?」
あぁ、人間はそうだったな。
「大丈夫、任しとけ!」
「わっ。」
俗に言うお姫様抱っこ。
「だから…。」
千歳が何か言おうとする。
「いいから、黙ってねーと…。」
羽を広げる。と、いっても鳥のようなヤツじゃなくて、蝙蝠みたいなヤツ。
「舌噛むぜっ!」
「あっあっあぁぁぁぁ!!落ちる!おーちーるー!!!」
お、叫んだ。意外。
「………!!!!!」
今度は黙った。
「わっ、あっぶねー。」
急に首にしがみついてきやがった。
「痛い、痛いって!!ツメ食い込んでるっ。」
聞こえてねぇ。もう山が一眸できる高さにいるんだけどなぁ。
「千歳、千歳。見てみ。」
千歳が首を振る。
「高いトコ、嫌い?」
俯く。うなじが見える。色っぽいなー。