月の輪
しゃーねーな。行くか。と、ユルユル進みはじめたときだった。
「綺麗…。」
俺は、山を背に飛んでいた。つまり、千歳には俺の背後の景色が見えている。
「榊!凄い!凄いぞ!こんなに綺麗な景色は見たことない!!」
かなり興奮してるらしい。ま、俺にゃ見えないケド…。
「あ。」
「どうした?榊。」
「いや、名前呼んでくれたなって。」
「そういえば。」
ちょっと、嬉しい。顔がにやけるのがわかる。俺、ひょっとして…一目惚れ?
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