月の輪
まったく、なぁにが内緒だ!決めた。絶対に聞き出してやる!
「榊!」
あ。もしかして…。
「さかき?」
そっと音をたてないように近づく。やはりな。
「眠ってる。」
横向きで少し丸まった姿だ。仕方ない。聞き出すのは今度にしてやろう。
「んみゅ…。」
「!」
こちらに寝返った。丁度顔が見える。少しばかり顔が赤い。そっと額に触れる。…微熱、かな。氷はこれくらいでいいか。
「ん、んん。」
氷が気持ちいいのか、榊の体の力が抜けていく。
「…。」
私も眠くなってきた。いや、だめだ!榊が起きたらく、すり…。
< 18 / 39 >

この作品をシェア

pagetop