タンポポ組へようこそ
「名を聞く時は先ず自分から」
掌を上に向け、岡野に向ける。
何か咥えているものはタバコじゃなくて飴の棒だった。
「…N14、岡野潤」
「はー…そう、一年生ね」
「あんたは」
ブレザーについている校章の色で私達と学年が違う事は分かっていた。
男はんー、とね、とまた頭を掻き毟り、
「SP21、サギノミヤエイジ」
もちろん分からない。
岡野も首を傾げている。
SPって事は、特進科なんだ。
「……つまり名乗るホドの者じゃ御座いません」
「ふざけんなよ」
先輩でも岡野の態度は変わらない。
胸倉を掴みそうな勢いで睨みつけている。
と、サギノミヤが急に振り返った。