タンポポ組へようこそ
咥えた棒が額にくっつきそうな距離で見つめられて鼻血だとか垂れ流しの私は死にたくなった。
「で、君はどーすんの?」
「え?」
「俺に毎日百円払うかどうか」
岡野が間合いを詰めて、右の拳を振り上げた。
「危ない!」
叫ぶと、肩を掴まれて、下に押された。
かくんと膝を居ると、岡野の拳は空を切った。
「俺に賭ける?賭けない?」
楽しそうに聞いてくるサギノミヤにまだ躊躇していると、彼は高らかに叫んだ。
「生きている営みのほとんど全てが、賭けの連続である!」
もしかしたら。
この人に賭けたら。
体勢を立て直した岡野がこっちに来る。
「賭けます!」
そういうと、ニヤッと笑った後、岡野を振り返る。