タンポポ組へようこそ
その後、何が起こったのか、分からなかった。
気がついたら、岡野が倒れていた。
ぽたりと涎を垂らしながら、呻いている。
「バカだねえ、岡野くんは」
あ、ありがと、と私の手から棒付き飴を受け取る(いつ持たせたのかも良く覚えていない)。
「人を殴り慣れてる人に喧嘩売っちゃあダメだよ」
「え……?」
この人、喧嘩ばっかりやってるのだろうか。
「…ボクシング部な」
私の考えを見透かした様にこっちを見ながらサギノミヤが言う。
ああ、なるほど。
「…じゃ、俺ら行くから」
俺ら?らってなんだ。
と思っている内に腕を引かれて私は校舎に連れていかれた。
あ、とサギノミヤが岡野の方を振り返る。