タンポポ組へようこそ
「え?」
岡野の足と地面の間で首を動かすと、黒髪の男が積み重なった椅子やら机やらの上にヤンキー座りをしていた。
ワックスで髪の毛を盛っている、ちょっとちゃらちゃらしている感じだ。
ぼりぼりと頭を掻き毟り、ゆらりと立ち上がる。
背丈はさほど大きく無い。
ざっざっ、とローファーを引き摺りながら歩く変わった歩き方をしている。
ヤンキー座りしていた割にはネクタイはキッチリ上まで上がってるし、第一ボタンもしまっていて、何より決定打なのが腰パンじゃない。
「…誰だよ?」
顔は鋭い目つきで、何か咥えていた。
「ま、足どけろよ」
岡野の足をずらし、男は私の腕を取って立たせてくれた。
そして私を庇う様にして立っている。