クマさん、クマさん。

「俺さ、日本に転勤になった。帰って来たのは昨日の夜中」



だから今ここにいるんだ。



「俺ずっと帰って来たら、なっちゃんに言いたいことがあったんだ」


クマさんがあたしの顔を真剣に見た。


「なに?」



クマさんの真剣な顔に胸がドキドキする。



「シワくちゃなじいさん、ばあさんにもなっても一緒に手を繋いで笑い合って生きて行こう」




ずっとクマさんから言ってほしかった言葉があった。



"付き合って下さい"

"結婚して下さい"


そんな普通の言葉をクマさんに言ってもらえたらどれだけ嬉しいんだろうと夢見てた。



でもそんな普通の言葉より、ずっとクマさんのプロポーズには『未来』があった。



そして、プロポーズを言うクマさんが愛しいと思えた。



「返事してくれる?」


クマさんはあたしの頬を触る。



「クマさん」



「ん?」



「あたしのこと・・・覚えてたの?」


ずっと思っていた言葉を言うとクマさんは吹き出すように笑った。



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