クマさん、クマさん。




「アカヤなら、"夢"と"好きな人"どちらを選ぶ?」



「俺なら"好きな人"も選んで"夢"も掴む」



アカヤは当たり前の様に言った。



「・・・じゃあ、どっちかしか選べなかったら?」



「どっちも」



「だから、1つしか選べらないんだよ」


こいつは人の話しを聞かない馬鹿か?



「どっちかって言うなら、"好きな人"。"夢"なんてどうにかしたら叶うだろ」



この時、そんなことを言えるアカヤが羨ましかった。




「じゃあ、お前どこ行くの?」


「どこって?」


3年のこの時期なのにこの言葉で分からないのか・・・?



「高校だよ」


「高校か・・・」


分からなかったんだ・・・。



「俺は亀木が行くとこ」


アカヤは亀木が好きだ。


「サッカーは?」



「どこでもできるだろ」



「亀木がどこ行くか知ってんの?」



「知らん」



無計画すぎだろ。



「お前は?」


アカヤが反対に俺に質問する。



「俺は・・・分からない」


アカヤの言う通り"夢"も"好きな人"も選びたい。


でもどちらかを考えたら、どちらも選べなかった。


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