クマさん、クマさん。

「ハァ・・・」


職員室を出ると、1人になりたくて体育館に行った。



これからも、なっちゃんと一緒にいたい。


あの笑った顔をずっと見たい。


その気持ちは変わらない。



でも最後に先生から言われた言葉が俺を悩ます。


《高校は人生で結構重要な時だと思う。
T高にはお前と同じ夢の奴らもきっといるから、それがお前にとっていい刺激になると先生は思うんだ。
まぁ、これは先生の考えであって親御さんと話し合いをする時の参考にしてくれ》


言われた瞬間、先生の意見は正しいと思った。



高校3年で人生の道が決まるめんだ。







ダンッ


ダンッ


ダンッ



シュッ



ガン


「元バスケ部もまだまだだな」


俺がリングに外したボールをアカヤが持って近づいて来た。



「なんでいるんだよ」


「ヒマだったから」


絶対嘘だ。


「お前、職員室で聞いてただろ」


「うん」


当たり前の様に、アカヤは言う。


ダンッ


ダンッ


シュッ


ポスッ



アカヤが投げたボールはキレイな孤を描いてリングに入った。


嫌味な奴だ。


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