クマさん、クマさん。
ガチャ
「母さん」
家に帰ると1番に母さんの元に向かった。
「なに?」
「俺、志望校決めた」
「そうなの?やっと決まったのね。どこなの?」
「・・・俺、T高に行きたい」
俺が選んだのは"夢"だった。
大学はアメリカに行きたい。
そう思ったら答えはT高に行くことだった。
「T高ね・・・いいんじゃない?それなら空也の夢も1歩近づくんじゃないかしら」
母さんは笑って賛成してくれた。
アカヤには"なっちゃん"より"夢"を選んだと思われたかもしれない。
けど、俺はなっちゃんと離れても好きでいられる自信があった。
そして願わくば、気持ちを伝えて付き合えたらいいと思った。
だから、俺はT高に行くことを決意した。
次の日、先生にT高に行くことを伝えると先生も喜んで賛成してくれた。