クマさん、クマさん。
「え・・・?」
なっちゃんは驚いた顔をして、そして涙を流した。
「中学の頃から、ずっと好きだったよ」
もう1度言った。
「好きだから高校も聞いた」
なっちゃんはいつから俺を想ってくれてた?
「高校行っても忘れられなかった。
でも連絡する勇気もなかった。
"彼氏いるから"って言われるかもって思ったら何も行動に写せなかった」
体がデカイだけで勇気なんてない弱い俺。
「でも3年になってアメリカの大学を行くこと決意してからは、なっちゃんを諦めた」
だから俺となっちゃんはこの6年間、結ばれなかった。
そして今も・・・―――――
「・・・ごめん」
外国に行く俺。
日本にいるなっちゃん。
結ばれることは望めない。
「分かってたことだからいいよ」
泣いた後がまだ残っているなっちゃんを抱きしめたかった。
「伝えられたことで十分だよ」
その言葉が本当なのか、嘘なのかは分からなかった。
ただなっちゃんは笑っていた。