クマさん、クマさん。
「じゃあ、あたし帰るね」
「・・・ん」
たぶんこれがなっちゃんとの最後だ。
「・・・最後に握手して」
なっちゃんが手を差し出して来た。
「いいよ」
なっちゃんの手はとても小さかった。
「ありがとう」
「俺こそありがとう」
なっちゃんを好きになって良かった。
「それじゃあアメリカで頑張ってね」
「うん。なっちゃんこそ受験頑張って」
なっちゃんならM大は余裕だ。
「うん。じゃあ、またね」
なっちゃんから初めて言われた"またね"。
俺となっちゃん・・・。
"また"はあるの?
「うん、またね」
俺はなっちゃんとの"また"が来るように願いながら言った。
なっちゃんは少し微笑むと俺に背を向けて帰って行った。
大好きな子の背中がだんだん小さくなっていく。