リメンバア

あー。

こんなにあるんだぁー。

扇風機。

でも。

こんなにあるからこそ。


一番、普通なの。

決ーめたっ。



やっぱ、持って帰れないなぁ。

今日は我慢だ。
仕方ない。



『扇風機って、クーラーじゃなくて?』

「クーラー嫌いだから」

『え、でも涼しいんでしょ?』

「そうだけど」

『あ!』

「何?」

『トイレ、行ってい?』

「はぁ?」

『いーいからっ!』


全く。
自覚はないわ。
振り回すわ。
どんな幽霊だよ。


友達になりたいとかなんて、
聞いた事ないし。
しかも、
幽霊から。
あーもう。



『ほら、見てよ!』

「?」

『かーがーみっ』

「!」

『ね?』

「あたししか‥‥いない‥‥?」

『映らないんだぁ』
『だから』
『分っかんないんだよねー』
『あたし』
『自分の顔』
『鏡使えないから』



「本っ当ーに?」

『ん?』

「幽霊?」

『だから、多分』

「どうなのよ、それ‥‥」




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