神様のしずく
“欲”


ここは 暗い暗い
どこかの海の底。


私は そこに生み落とされた。

生み落とされたとき
神に言われた。

「君は この世で一番大きい生物だ。君以上に大きな生物はいないだろう。
だか 君は “欲”にかけてる生物だ。
いや そのようにした。
すまない。」


よく 意味がわからない。
だが 私が“欲”を
持った時 神は
また それを奪いに来ると言った。



ここは 暗い暗い
どこかの海の底。


そこから わざわざ動き
底から上に行き
何があるのか?



別に知りたいとは
思いもしないのだ



ただただ
そこで 岩のように
苔を体に漂わせながら
じっとしている。



それが 私。
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