甘いキスの魔法
「ね?また会ったっしょ。」
そう言いながら口元を緩める。
「――なん…で……」
頭の中は なんで、の三文字。
「さあね、」
とこの前みたいにまた優しく微笑む。
―――――――なんで…
そうこうしている間に
私たち二人の周りに人が
何故か男の人が集まってきた。
「――可愛い子じゃん。
…………輝の……彼女?」
と集まって来た男の人は
あたしをじろじろとみながら
手を掴んでいる輝と
呼ばれる男の子に近寄る。
――――――――男、のひと……
一瞬で、視界が真っ白になって
フラッ、とバランスが崩れた。
「―――梨音、」
誰かに名前を呼ばれて
そこから私の意識は途絶えた――