甘いキスの魔法
顔に触れていた手の親指が唇へと
移動すると少し強く押しながら
横へ動かして
あたしの濡れた唇を拭った。
「――〜っ!」
先輩の指が少し動くだけで
――――心臓が、胸が……
締め付けられるようで
――こんな気持ちは初めてで目頭が熱くなる。
――――先輩の指が離れた。
そして先輩はあたしの手を引いて
ゆっくりと身体を起こしてくれた。
「――てか平気じゃん、
キスしても……触っても。」
そういいながら座りなおす。
「――っあ」
―――――――本当だ……
…――なんで?
いつもなら触られるだけで
倒れちゃうのに………
宮崎先輩には触られると
心地よくて…………なんで?