甘いキスの魔法


顔に触れていた手の親指が唇へと






移動すると少し強く押しながら







横へ動かして





あたしの濡れた唇を拭った。









「――〜っ!」










先輩の指が少し動くだけで








――――心臓が、胸が……






締め付けられるようで




――こんな気持ちは初めてで目頭が熱くなる。










――――先輩の指が離れた。






そして先輩はあたしの手を引いて


ゆっくりと身体を起こしてくれた。







「――てか平気じゃん、


 キスしても……触っても。」





そういいながら座りなおす。





「――っあ」






―――――――本当だ……










…――なんで?







いつもなら触られるだけで

倒れちゃうのに………






宮崎先輩には触られると




心地よくて…………なんで?
< 29 / 97 >

この作品をシェア

pagetop