甘いキスの魔法
☆梨音side
「……ふぅ」
先輩と別れたあと、優を迎えに行って帰る途中だった。
一日にあの先輩に二回も会っちゃった。
ファーストキスは奪われたけど
両方とも…助けてもらったんだよね。
お礼のお菓子、口に合わなかったらどうしよう。
……もっと形綺麗なの渡したかった、な。
さっきからずっとため息の繰り返しだった。
「おねぇちゃん危な…」
………………………ごつん、
「いった…」
下を向きながら歩いていたため、丁度、家の前の電信柱に頭を思いきりぶつけてしまった。
「大丈夫?」
幼い優が心配してくれる。
「大丈夫、ありがとう」
優の頭を撫でてから家に入った。