甘いキスの魔法
―――――――プルルルル
家の電話が静かな家に響いた。
「おねぇちゃん、…また?」
優があたしの足にぎゅっとしがみつく。
うん、と頷くと優は不安げに瞳を揺らして
「こわいよ……」
とつぶやいた。
優の手を解き、しゃがみ込んで優の身長に合わせる。
「…大丈夫。お姉ちゃんが
優のこと守ってあげる。」
ガッツポーズを見せて言う。
「ほんと?!じゃあ優も
おねぇちゃんのこと
まもってあげるね。」
小さいのに逞しく無邪気な笑顔をみせる優にあたしは、嘘ばかりついている。
ここ三ヶ月、非通知の番号から電話がかかって来たりとか、あたしの学校の下駄箱には脅迫文が書かれた紙が入ってたりとか、他にもずっと嫌がらせばかり続いていた。